宮部みゆき 講談社
『ぼんくら』に登場した同心・井筒平四郎が活躍する長編。
宮部さんの時代物は好きなので、たっぷり読めて嬉しい。もし、「宮部さん好きだけど、時代物は…」と言って敬遠している人は大損をしていると思う。
後半の「仕掛け」は、ちょっと、芦辺拓さんの『殺しはエレキテル』を連想してしまった。
今さら私が言うのも何だけど、宮部さんは本当に文章が巧い。
本筋からは外れるが、江戸時代の「養子縁組」について少々考えさせられた。軽々に現代に当てはめて考えることはできないとわかってはいるが、この時代の大らかさが今にあれば、悩む女性が減るのではないかと思う。
上巻:ISBN4-06-212736-9 下巻:ISBN4-06-212737-7 各¥1600
Recent Comments