伊坂幸太郎 新潮社
軽やかな本だった。「軽い」のではない。「軽やか」である。間違えてはいけない。
非常に重いテーマを描いているのにそう思うのは、文体が重々しくないからか。潔いのに暖かい、それでいて少し切ない。ああ、そうか、私の好きな、なだいなだ氏の青春小説のような仄暗さを感じたのかも知れない。100ワットの電球を取り付けるべきところに40ワットのを入れてしまったような。
この人の文章は好きだ。エピソードや単語が予想を裏切って飛躍する。はまる予感がする。いや、もうすでにはまった。
著書を続けて読もうと思う。
ISBN4-10-459601-9 ¥1500+税
Recent Comments