森博嗣 講談社ノベルス
ますますわからないGシリーズ第3弾。これを単独の物語として読むには若干の無理がある。シリーズの最初から読まなければならないのももちろんだが、この先全てが描かれるときを待たなければ全貌は見えてこないのかも知れない。
今回は、前作「θは遊んでくれたよ」よりも更に「真賀田四季」の関わりが強く示唆されている。しかし当然彼女の目的は説明されていないし、この先登場人物達がどのように巻き込まれていくのかも不明である。しかし、「真賀田四季」にはその不満を補ってあまりある魅力(好奇心とも言う)があるので、読者である我々は大人しくシリーズの完結を待つしかないようにも思う。
今回出てきたトリックの中で、殺人そのものには無関係の方に説明されていない部分があるのだが、それはいずれ解明されるのだろうか。それとも、そこまでの説明を求める方が野暮なのだろうか。少々悩むところではある。
ISBN4-06-182451-1 ¥900+税
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