倉知淳 講談社
ご存じ猫丸先輩の短編集。日常の謎系の作品が6編も収録されていて読み応えたっぷり。中でも一番のお気に入りは、猫丸先輩の…いや、作者の倉知淳氏の人の悪さ(褒めてるんですよ)が存分に発揮されている「とむらい自動車」だ。
ネタバレになるので詳しくは語らないが、ある意味叙述トリックであり、このシリーズを長く読んでいる読者を大いに不安にさせる仕掛けがほどこされている。
「子ねこを救え」と「魚か肉か食い物」は、そのままミステリ漫画に描き起こせそうな内容で微笑ましい。また、巻末に収録されている「夜の猫丸」は、プチホラーといった雰囲気でラストを飾っている。
講談社ノベルスでは、本書の前に「猫丸先輩の推測」が出ており、こちらも楽しいのだが、ファンとしてはそろそろ猫丸先輩に長編でも活躍して欲しいと願っている。
ISBN4-06-182446-5 ¥900+税
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