石田衣良 講談社
40歳という人生のターニングポイントをどん底で迎えた男の童話である。短編集の体裁を取っているが、物語の内容は連続しており、ある意味夢のようなラストに向かう。甘い夢である。
石田氏による同世代の男性へのエール…というかメッセージなのだろうから、この展開で正しいのだとは思うが、ちょっぴり都合が良すぎるような気もしてしまう。もちろん苦いラストなど誰も望んでいないだろうが。
少々辛口に書いたが、もちろん作品としてはとても楽しませてもらった。中年版「池袋ウエストゲートパーク」のようなニュアンスなのかも知れない。
ISBN4-06-213300-8 ¥1500+税
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