私が仕事に使っているComicStudioをリリースしているセルシスさんが、今日、とても重大な発表を行いました。
新ペイントツール 「CLIP STUDIO」についてのお知らせ
「CLIP STUDIO」は、64ビット、マルチコア対応の新開発描画エンジン(「TRIGLAV」エンジン)をベースに、IllustStudio、ComicStudioでつちかった機能をより使いやすく洗練させると同時に、新たな機能も搭載した次世代のペイントツールとして、Windows版とMac版を同時にリリースいたします。製品は、1万円を大きく下回る価格で提供させていただく予定ですが、IllustStudioならびにComicStudioをご利用いただいているすべてのユーザー様には、リリース後も製品版を無償にてご使用いただけることといたします。
また、2012年夏には、複数ページ作品制作や詳細な印刷設定機能等の、より高度な機能を搭載した「CLIP STUDIO」の上位グレード製品を、2万円前後の価格でリリースいたします。この上位グレード製品は、ComicStudioPro/EXの全ユーザー様は無償でご使用いただけ、「CLIP STUDIO」、IllustStudioならびにComicStudioDebutのユーザー様には優待価格でご提供いたします。
「CLIP STUDIO」のリリースにあわせ、今後、IllustStudioならびにComicStudioの大きな機能追加は予定しておりません。現在販売中のIllustStudioならびにComicStudioの各バージョンは、2013年末まで販売を継続させていただき、不具合などの修正も対応いたします。「CLIP STUDIO」は、IllustStudioならびにComicStudioで制作されたデータや素材を活用できますので、引き続きIllustStudioならびにComicStudioをご利用いただき、「CLIP STUDIO」もあわせてご活用ください。「CLIP STUDIO」ならびに上位グレード製品の機能などの詳細につきましては、順次、当サイト等で最新情報をお知らせいたします。
つまり、CLIP STUDIOの「上位グレード製品」は、ComicStudioとIllustStudioが統合されたものになる、と読めます。そして単体のComicStudioとIllustStudioは今後は不具合修正のアップデートしかせず、現バージョンで終了ということです。(2013年末までは販売されます)
これまで、Mac版をリリースすると言われながらも出なかったIllustStudioがCLIP STUDIOとしてMacでも使えるようになるのは嬉しいことですが、このところのセルシスさんの動きを見ているとWindows版のみの3D関連のツールにかなり力を割いているようでしたし、Mac版のイラスタ単体を出すよりも全て統合してしまおうというのも頷けます。コミスタのカラー強化などを見ていても、いずれ統合されるだろうという予感はありました。
ただ、コミスタは事実上漫画業界のスタンダードツールですし、媒体が紙の雑誌からWebへの移行が著しいとは言っても、まだまだ漫画はモノクロの表現が主体です。来年夏にリリースされるというCLIP STUDIOで、これまでのコミスタの機能を削ったりしないように強くお願いいたします。
また、Macユーザーとしての立場から言わせていただくと、Windows版のコミスタでは出来ない「新規ウインドウ」を作業画面から出す機能、これは液晶タブレットと通常のモニタを併用してモニタの方に確認用の画面を出して作業している漫画家にはとても重要な機能です。(私は液タブだけで仕事してますが)こういったMacならではのウインドウの自由度を損なうようなUIには絶対にしないでいただきたいのです。
なぜこんなことをわざわざ書いているかと言うと、今回の発表のきっかけとなっているツール、CLIP PAINT Labは、Macユーザーにとってはとても使いづらいUIだからです。ある程度のウインドウのカスタマイズはできますが、個別のツールのウインドウを作業エリアから出すことが出来ず、重ねて表示したり原稿用紙の画面をちょっと横に置いたりするようなことができないんですね。パレットの隙間から他のアプリケーションを覗かせることもできないので、その辺りが継承されてしまうのはとても不安なのです。
現況、コミスタがないと全く仕事が出来ない環境なので、機会があれば要望も出させていただこうと思いますし、今後の情報もしっかり追いかけていこうと思います。
では、ちょっと癒やしの猫写真でも。
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