今日は、西新宿にあるセルシスさんにお邪魔してきました。漫画制作アプリケーション「ComicStudio」を作っている会社です。(写真は都庁ですよ)
セルシスさんのエントランスにはお正月飾りがありました。撮影許可をいただいたので撮ってきましたが、もっとちゃんと正面から写せば良かったですね。
社内もざっと見学させていただきました。なんだかちょっと漫画の編集部みたいな雰囲気でしたよ。…と言っても編集部の雰囲気を知っている方のほうが少ないですよね。漫画の編集部って、ちょっと学校の職員室みたいな雰囲気です。じゃあセルシスが職員室みたいかというと、そうでもないんですが。(笑)
セルシスさんは去年の夏から「24時間サポート」というスゴイことをやってらして、ユーザーサポートの方達が常に待機していらっしゃいます。仮眠室もあるんですよ。そして、自由業者の憧れ(?)、オフィスグリコや自販機もびっしり。グリコの営業の方が最初に見積もったよりずっと多い売り上げがあるんだそうです。お疲れさまです。(^-^;
24時間サポートをしているのは、〆切直前にアプリケーションが使えなくなってしまったらユーザーが困るだろうということを慮ってのことなんですよね。「普通の会社の営業時間である8時間しかサポートしなかったら、それは1日24時間のわずか3分の1。3分の2の間にトラブルがある可能性の方が高いから」という趣旨のお話にとても感激しました。
今日伺ったのは、今年の春にリリース予定のCLIP STUDIOの開発のためにComicStudioをどのように使っているか、どんな要望があるか聞かせて欲しいとのことだったので、実際コミスタを起動して私が普段やっているネームの作業やコマ割りの手順などをお見せしてきました。特に、プロの漫画家は絵を描くよりも先にまずネームありきですから、ストーリーエディタをどんな風に使っているかや、テキストレイヤーにフキダシを付けるために欲しいと思っている機能などを説明。特にストーリーエディタからテキストファイル読み込みの際、1つのファイルの中でページを分ける機能(特定の文字列などを認識してページを分けるなど)が必要だと力説してきました。今の機能では1ページごとにテキストファイルが必要なので、50ページの作品のネームを流し込むためには49回(トビラにはネームはないので)の「読み込み」の操作が必要になるのがちょっと大変なのです。
カスタムツールパレットなどは、設定ファイルを持って行かなかったのでご覧いただけませんでしたが(後で画像をお送りしました)、ここは自分で使いやすいように設定できるのでコミスタのヘビーユーザーの方はみなさんそれぞれ工夫しているところです。参考までに、私のカスタムツールパレットはこんな感じです。
下の方にある「アクションショート」というのは、アクションをショートカットに登録したものをツールパレットに入れてあるのですが、ここのテキストがいじれないので今の状態では何が登録してあるのかわかりません。自分で位置を覚えるしかないんですよね。なので、ぜひボタンに登録するときに表示するテキストをユーザーが変更できるようにしてくださいとお願いしてきました。
ネット上では今年リリースのCLIP STUDIOがコミスタの上位バージョンなどに比べると安いことから、機能が削られるのではないかと危惧する声も上がっていましたが、そんなことはないと仰っていましたのでご心配なく。ただ、もちろんリリース直後からてんこ盛りというわけにはいかないかもしれませんよね。それでもコミスタのサポートは向こう3年くらいはありますので、CLIP STUDIOがちゃんと育つ時間は充分にあると思われます。移行する時期はユーザー側のマシン環境だったり予算だったり、いろいろズレはあるでしょうけど空白期間ができてしまうようなことはなさそうです。(お伝えしていいとお許しをいただいて書いています)
また、現在β版が無償提供されているCLIP PAINT Labは、やはりCLIP STUDIOの元になる形だと思っていいそうです。ただ、もちろん機能的にはまだまだ載せていないものも沢山ありますし、今のままということは決してないので安心してリリースを待とうと思います。64bit対応や、使えるメモリが大きくなることも楽しみです。
今日伺って、セルシスさんがきちんと漫画制作者(イラストなども含めて)の方を向いてくださっていることがとてもよくわかりました。現在ComicStudioはプロの漫画家のスタンダードツールになっていますし、実際、これがないと全く仕事にならないというのが本音です。逆に言えばComicStudioが素晴らしいアプリケーションになってくれたからデジタルでの作業が可能になったわけです。それを引き継ぐCLIP STUDIO。今後の発展を大いに期待しています。
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