浅田次郎さんの『一路』(上)(下)巻を読了しました。
江戸末期に滋賀県のあたりの架空の旗本が参勤交代のために江戸に向かって中山道を12日かけて旅をする話ですが、行列を取り仕切る「御供頭」がまだ19歳で初のお役目。父親は急死してしまったので仕事についての申し送りは全くされておらず、家に伝わっていた200年以上も昔のマニュアルだけを手がかりに参勤交代を敢行する、というお話です。いやもう、この設定だけで面白そうでしょう?
もちろんそんな若侍がなぜそんな大役を務めなければならなかったのか、という背景にはお家騒動などの事情がありますし、道中の人情話も満載です。ただ、上下巻なのですごい駆け足(笑)なのがちょっともったいないくらいでした。本当は6冊くらいでじっくり書き込める内容ではないでしょうか。でもそうするとスピード感が失われてしまいそうではあります。
いろいろと都合の良すぎる展開があったり、馬や鯉目線のシーンがあったりと、ほぼファンタジーだと思って読んだ方が楽しめます。でもちょっとほろりとさせられるところも沢山あるんですよ。昨日の夜から今日の昼過ぎまで(短めの睡眠を挟んで)一気に読んでしまいました。
中山道が舞台ということで、浅間の沓掛宿に引っ越してきた私には馴染み深い地名がたくさん登場します。諏訪に御神渡りを見に行ったときには中山道最大の難所である和田峠も越えましたし(車でね)、佐久平の岩村田宿もよく買い物に行くときに通るところです。北国街道と中山道の追分もすぐ近くですし。
中山道沿いにお住まいの方はきっと面白く読めることだろうと思います。今月20日には、平安堂 佐久インターウェーブ店で浅田次郎先生のサイン会 があるそうですよ。
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