北森鴻 文藝春秋
<冬狐堂>の宇佐見陶子登場。民俗学者:蓮丈那智シリーズと並んで北森氏の二大クールビューティーシリーズである。
しかし、今回はクールなはずの陶子の過去に迫る作品が多く収録されていて、彼女の傷や情熱を伺うことが出来る。
考えてみれば、孤立することを全く恐れない(むしろ楽しんでいると見える)蓮丈那智に比べて、陶子の戦いぶりはほんの少し痛々しい。蓮丈那智にとっての、三国に当たる存在が周囲にいないせいもあるのか。
作中に「池尻大橋のバー」や「三軒茶屋のバー」がチラチラ登場するのもファンには嬉しいところ。
ISBN4-16-323660-0 ¥1476+税
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