加藤実秋 東京創元社
第10回創元推理短編賞を受賞した「インディゴの夜」が、短編集として一冊にまとまった。
渋谷の、ちょっと変わったホストクラブを舞台にした短編集だが、主人公である「オーナー」の晶がとても魅力的で読みやすい。
ホストクラブが成功してもライターの仕事を続けているという設定なので、ところどころに出てくる「業界裏話」的なエピソードも楽しめる上、渋谷や新宿など、繁華街の夜についての描写がリアルで著者の取材力を感じさせる。この著者の経歴について私は詳しく知らないのだが、デビュー短編集とは思えない程の完成度だと思う。
楽しい設定なので、ぜひこのままシリーズが続いて欲しいと思っている。
ISBN4-488-01712-6 ¥1500+税
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