東野圭吾 集英社
「怪笑小説」、「毒笑小説」に続く短編集。ショートショートに近いかも知れない。
1話目の「もうひとつの助走」は、筒井康隆氏の「大いなる助走」のパロディとなっており、同じキャラクターを使った短編も複数収録されている。
言うまでもなく、文壇や文学賞の選考を皮肉った作品だが、東野氏だからこそ書ける…というところもあるだろう。
「シンデレラ白夜行」は、自身の「白夜行」の登場人物をシンデレラに置き換えたような作品。面白い。
他に「臨界家族」や「笑わない男」のように、最後の数行が見事なオチになっているような秀作が満載である。
ISBN4-08-774754-9 ¥1600+税
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