コメントを載せたTumblerがサーバダウンしている場合があるようなので、こちらにも改めて私のコメントを掲載いたします。
これは、3日及び6日に開かれた反対集会で読み上げていただくために寄せたものです。
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もう何で読んだのかすら忘れてしまったほど昔のことですが、「我が家では子供に悪影響を与えるような記事は読ませたくないので、毎朝私が新聞の悪い記事を切り抜いてから与えています!」という文章を見て驚愕したことがあります。
これを聞いてバカバカしいと感じられたあなたは、今回の東京都青少年健全育成条例改正案の内容を見て同じことを思いませんでしたか? 穴だらけの新聞を読まされる子供がどう成長していくのか、それと同じ杞憂を抱きませんか? それを都がやろうとしているのです。
確かに今の世の中には、子供に見せたくないと思うものは数多く存在します。それはテレビ番組だったり雑誌だったり、もちろんマンガだったり。
でも、子供は日々成長します。昨日見せたくなかったものが、明日にはそれを題材に親子で話し合う必要が出てくるかもしれない。一年後には一緒に楽しんでいるかもしれない。子供の成長にはそれぞれ肉体的精神的にばらつきがありますから、同じ年の隣のお子さんと我が子では受け取り方も違ってくるでしょう。
それを、都が規制することに何の意味があるのでしょうか。
もちろんゾーニングは必要です。書店やコンビニなどの配置には今後も気を配っていただく必要があるでしょう。
ですが、どんな内容のものであれ、それを「なかったこと」にしてしまおうとするこの改正案はナンセンスであると言わざるを得ません。
必要なのは各家庭で自分の子どもに向き合い、価値観を共有することです。
新聞を切り抜くのではなく、見せたくない理由があるのならその説明を子供にするべきです。そこを都に丸投げしてはいけません。自分の子供への責任は親が自分で果たそうではありませんか。
私の息子はあと数ヶ月でハタチになります。私は漫画家として夢中で仕事をしてきたので、代わりに夫が息子の小中学校時代、PTA会長を務めて学校と深く関わってくれました。
母親としては他のご家庭と少々違っているかもしれませんが、きちんと子育てをしてきた自信もあります。息子は同人漫画を読むのが好きな、いわゆるオタクに育ちましたが、同人誌即売会で買ってきたものも、少々照れながら私に見せてくれます。
そういうものを見る度、私は「ああ、健全に育っているな」と安心するのです。
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6日の集会は、ニコニコ動画で生中継されましたが、回線の都合上音声のみの放送となりました。その後、再放送が予定されていますので、視聴可能な方はぜひご覧下さい。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv34094687
都条例への反対声明については、こちらのブログにも色々まとまっています。
LOVE&PEACE 東京都青少年健全育成条例に関する反対意見など
掲載されているリンク以外にも、白泉社など、続々と反対声明を出している団体があります。もし今回、この都条例が成立してしまったら、将来的に全国に広がる可能性が強く、「表現」そのものの危機でもあります。表面的な部分だけを見て「いやらしい漫画が取り締まられるならいいんじゃないの?」などと誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、とてもそんなレベルの問題ではありません。いつあなたの好きなドラマ、小説、映画、音楽にもその規制が及ぶかわからない、と危機感を持ってお考えいただきたいと思います。
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