ダン・ブラウン 角川書店
話題の本だしダ・ヴィンチは好きなので読んでみようと買ってあったが、なかなか手を付けられずにいた。
ロン・ハワード監督で映画化が決まっているそうだが、確かに映画に向いている題材かも知れない。ストーリー展開も、主人公たちを追う影がずっとつきまとっている状態が続くのでいいかも。
だが、この本が世界中でベストセラーになっているという話を聞くと、少々肩すかしな思いをしてしまったことは否めない。
特に後半の、人物関係図が大きく変わるくだりは、少々急ぎ過ぎというか、バタバタしている印象を抱いてしまった。
出てくる暗号はそれなりに凝ったもので、謎解きの楽しさは味わえるのだが、ダ・ヴィンチの遺した暗号と、主人公達の追っている暗号とは別物というのが「肩すかし」の原因なのだと思う。そこが、井沢元彦氏の傑作、「猿丸幻視行」とは違うところだ。
中年の大学教授と美貌の暗号捜査官という取り合わせは、インディ・ジョーンズ風。…というか、すでに「聖杯」を巡る冒険はインディ・ジョーンズで見てしまったので、そのイメージが強く残りすぎているのかも知れない。
上巻:ISBN4-04-791474-6 ¥1800+税 下巻:ISBN4-04-791475-4 ¥1800+税
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